本記事は、怒りの扱い方【前編】の続きになっています。まだ前編をお読みでない方は、まずはそちらからご覧ください。
怒りの扱い方 【前編】 | Jアカブログ (j-academia.com)
第3ステップ
理想の怒り方を実践する。
- 怒っている・腹が立つ・頭にくるなどの、怒りを直接表現する言葉を言う。
- 怒っている理由を、具体的に、詳細に、相手に伝える。
- 淡々と、しかしはっきり伝える。
ムカッときたときに、この3点を押さえた言葉・言い方で、怒りを相手に伝えるように、努力していきます。
ここまでに記載した通り、これはとても難しいので、毎回はできないです。しかし、この3点を暗記して、日々、やろうと試みることに大きな意味があります。
第4ステップ
第3ステップは、自分で(=顕在意識で)、自分が怒っていることを自覚したときの対応方法ですが、顕在意識で気づく前に、無意識に抑圧されてしまう怒りもあります。そのため、毎日、寝る前に、抑圧されている怒りがないかをセルフチェックします。
そのために一番有名な手法がマインドフルネスです。ネットで調べると、やり方を説明した記事や動画がたくさん出てきますので、その中から気に入ったものを実践するのも良いと思います。
なお私は、自分で開発したセルフカウンセリングの手法を用いて、毎日セルフチェックを行っています。このやり方も後日アップする予定ですので、よかったらそちらもご覧ください。個人的には、一般的なマインドフルネスより、だいぶ効果が高いと思っています。
第5ステップ
第3・4ステップは、基本的には24時間以内に発生した怒りに対しての対処法ですが、生まれてからここまでの間に溜め込まれてきた過去の怒りに対処していくのが、第5ステップです。
生まれてからここまでの何十年もの間で、ものすごい量の怒りが、無意識(正確には前意識)の中に溜め込まれています。第5ステップをやられると実感しますが、本当に膨大すぎて、びっくりするような量です。そして、この過去に溜め込んできた怒りが諸悪の根源なので、それを何とかしないと、イライラしたり、瞬間湯沸かし器になったり、激しい憎悪を何とかすることはできません。ここが、怒りの問題の本丸です。
過去に溜め込まれた怒りを解放する具体的な方法としては、カウンセリング・臨床心理学の手法を用いるのがベストです。そして、それを、「プロのカウンセラーに頼む」か、「自分で自分に行う」かの二択だと思っています。
私個人は、複数のカウンセラー養成コースに行きました。おそらくほとんどのカウンセラー養成コースでは、カウンセリング技法を受講生に教えるために、何度も先生が受講生にカウンセリングを行いますので、養成コースで「プロのカウンセラーにカウンセリングをしてもらう」ことは、何度もやります。その上で、自分でもカウンセリングをできるようになりますので、養成コース終了後は、「自分で自分にカウンセリングを行う」ようにしています。つまり、まずはプロにやってもらう→カウンセリング技法を学ぶ→セルフカウンセリング、という順番が、一番の王道だと思います。
ただこれは、結構なお金と時間を取られますので、後日アップ予定の、私が考えたセルフカウンセリングの手法を試されてから、どうするかを決められても良いと思います。この手法は、私自身が毎日やっているものであると同時に、自社の社員さん達にやってもらいたくて開発したものなので、心理学を学んでいない方でもやれる方法です。
わざわざ養成コースを受けなくても、何回かはプロのカウンセリングを体験してみる。その後は、自分で、毎日、セルフカウンセリングをしていく、というのも、悪くないと思います。
ぜひお試しください。
最後に
2回に渡って、しつこいイライラ、激しい怒り、憎悪。。。これら怒りの問題を軽減するための5つのステップをご紹介してきました。
第1・2ステップは、すぐにできるものです。この2つのステップだけでも、少しは軽減すると思います。そして第3・4ステップで、今後、これ以上怒りを溜め込まないための方法を。第5ステップで、既に溜め込まれた怒りを減らしていく方法をお伝えしました。
特に第5ステップは、1回2回カウンセリングを受けたところで、どうこうなる問題でもなく、何度も何度も繰り返しカウンセリングを受けるか、自分で行うことで、進めていくものです。私はかれこれ20年以上、何千回とやっていますが、まだまだ抑圧された怒りはあります。おそらく、抑圧された怒りが、全てきれいさっぱりなくなることはないと思います。そのため、第5ステップは、死ぬまで毎日行うのが理想です(第3と第5ステップを同時に毎日行います)。
そして、10回20回とカウンセリングを受けるか、自分で行っていくと、徐々に抑圧された怒りが解放されていき、それに比例して怒りの問題は減ってきます。イライラすることがあっても、引きずる時間が短くなります。激怒してしまい、益々問題が大きくなり、後からすごく後悔することも、減っていきます。絶対に許せないと思っている人間がいた場合、その者との間に起った出来事を、フラッシュバックして思い出す回数も減っていきます。そうなったら、生きるのが楽になります。私は、怒りの問題に対処することは、幸せへ、真っ直ぐに向かう道だと思っています。
怒りには、怒ってしかるべき怒りと、過去に溜め込まれた怒りが原因になっている怒りがあります。後者が、イライラ・激怒・憎悪・劣等感・無気力などです。本記事でご紹介している5つのステップは、後者を減らすためのものです。
後者の怒りは、減った方が絶対に人生は幸せです。ただ、理性で、怒るのは良くないと、怒りの感情を抑圧することによって、怒りを抑え込もうとするやり方ではなく、より自然な形で、怒ること自体が少なくなる人格をつくっていった方が、良いと思います。この5つのステップは、そういう人格をつくっていくベストな方法論だと、私は思っています。
本記事はこれで終わります。これまで30記事以上投稿してきましたが、今までで最も長い文章になりました。ここまでお読みいただき、誠にありがとうございます。本記事が、あなたの怒りの問題を少しでも軽くし、あなたの人生がより幸せなものになることを、心から願っております。
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