心理学⑥ 交流分析 基本感情とラケット感情

本稿は、交流分析の中の基本感情とラケット感情についての解説記事ですが、もしあなたが、ご自身を成長させるために来てくださったならば、
心理学① 自己理解を深めるためのワークシート | Jアカブログ (j-academia.com)
を先にお読みいただき、そのワークの一環として、本記事をお読みいただくと、より効果的です。本記事は、単に理論を解説するだけでなく、お読みいただくことで、自己理解・自己成長が図れるものにしたい、という意図で記しております。そのため、自分がよく感じるラケット感情と、その元になっている基本感情は何かを、自己分析しながら読み進めていただくとありがたいです。

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基本感情とラケット感情

今から基本感情とラケット感情についての説明に入りますが、もしあなたが、TAの自我状態(CP~RC)をご存じない場合、先に「自我状態とは」と「ポイント2 CP・NP・A・FCの中から選択する」をお読みください。そこはご理解されている前提で、この先の説明を記します。

人が生まれながらに持っている感情を、TAでは基本感情(本物の感情)といいます。具体的には、喜び・恐れ・悲しみ・怒りの4つです。そして基本感情は、FCの中にあると考えます。

自我状態の稿で記した通り、FCは、0~3歳の間に、養育者の様々な言動により抑圧を受け、AC/RCに振り替わります。それを感情面でいうなら、基本感情は、0~3歳の間に、ラケット感情というものに振り替わる、ということになります。そしてこのラケット感情は、AC/RCの中にあります。

ここはもう少し丁寧に説明します。0~3歳の間に、基本感情は何度も抑圧されます。その抑圧された基本感情は、消えることなく、潜在意識の中に存在し続けるのですが、そのままじっとしている訳ではなく、言葉として表現されようとする=外に出ようとしようとします。しかし抑圧がかかっているため、基本感情のままでは外に出られません。そこで、基本感情はラケット感情という別の感情に姿を変え、少しずつ顕在意識に上がってくる、という仕組みです。

そして、TAでは、基本感情は良い感情だけれど、ラケット感情は悪い感情だと考えます。ちなみにラケットとは、テニスのラケットと同じスペルですが、「脅迫」や「脅迫などの違法行為を行う組織」という意味もあります。つまりラケット感情とは、その人の人生を脅かす感情であり、その人に付きまとって、人生をめちゃくちゃにする感情、という意味合いです。

ここで1つ疑問です。抑圧された基本感情は、形を変え、ラケット感情として表に出てくるのだから、ラケット感情を感じまくれば、いずれ抑圧された基本感情もなくなるのではないか?という疑問です。結論をいうと、なくなりません。抑圧されたまま残りますし、ラケット感情は、感じれば感じるほど強化され、それに伴う問題行動も悪化する、と考えます。

なるべくラケット感情を減らしていくことが、TAでは大きな成長目標になります。

ラケット感情の種類

以下に、代表的なラケット感情を羅列します。この中で、特によく感じるものを、最大3個まで、順位を付けて、選び出してください。

悲しみの抑圧によって生じるラケット感情
憂うつ、後悔、罪悪感、傷心、悲哀、同情、敗北感、虚無感、自己卑下、恥

恐れの抑圧によって生じるラケット感情
不安、心配、混乱、妄想敵意、義務感、闘争心、空騒ぎ、空威張り

怒りの抑圧によって生じるラケット感情
イライラ、焦り、諦め、寂しさ、憤り、激怒、嫌悪感、猜疑心

なお、赤線はAC・黄線はRCから発せられます。つまり、ACが高い人は赤線・RCが高い人は黄線のラケット感情をよく感じます。

自分はどのラケット感情をよく感じるか?その奥にはどの基本感情が抑圧されているか?この2つを、頭でわかることが、とても大きな一歩になります。もし「自己理解のためのワークシート」をお作りの場合、入力してください。

どうしたらいいのか

最終目標は、基本感情を、ラケット感情に振り替わる前に、率直に表現できるようになることです。しかしこれは最終目標なので、一足飛びには無理です。そのためまずは、今、感じているラケット感情の奥にある基本感情に気づく→その基本感情を表現することを、じっくり練習していきます。

本稿では、自分がよく感じるラケット感情と、その奥にある基本感情を特定することを目的としているため、深くは触れませんが、嫌な感情を感じたら、再度、本稿のラケット感情の一覧を見ていただき、なんという名前のラケット感情かを特定してください。すると、その奥にある基本感情がわかります。「俺・私は、〇〇〇〇だから、怒っている・恐れている・悲しんでいる」。次に、何で怒っている・恐れている・悲しんでいるのかを、考えてください。〇〇〇〇の部分です。この〇〇〇〇は、なるべく長く、具体的な方が良いです。そして、〇〇〇〇の部分がわかったら、最後に「俺・私は、〇〇〇〇だから、怒っている・恐れている・悲しんでいる」と声に出して言ってみるか、紙に書きだしてください。まとめると、ラケット感情の特定→基本感情の特定→その原因の特定→表現する、です。

一応書きましたが、実は、これをやるのはかなり難しいです。後日、これにフォーカスした記事を書きます。それまでに、一旦ここに書かれている内容を元に、ご自身でやってみてください。これをやっていただければやっていただくほど、いわゆる自己理解が進みますし、私が後日提案する手法にもすんなり入っていただけます。

お勧めの本

今回は以上です。なお、本稿をお読みいただき、交流分析についてもっと知りたいな、と思われたら、こちらから、私がお勧めする本をご購入いただけると嬉しいです。新品も中古も用意してあります!

ここまでお読みいただき、誠にありがとうございました。

心理学④ 交流分析 自我状態 エゴグラム | Jアカブログ (j-academia.com)




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