こんにちは。ご覧いただき、ありがとうございます。
第4回は、なぜ勉強しないといけないのか?について、前提となる事柄について書いていきます。
Jアカデミアは愛知県の学習塾ですが、愛知県の場合、公立・私立共に、ざくっと半分くらい高校が定員割れの状態です。つまり、今や高校は、誰でも行ける場所になっています。一昔前までは、多くの親御さんが、『あんた、このままでは高校に行けないよ!』という脅し文句を使われていましたが、その言葉は現在「嘘」になってしまいました。
また、大学はもっと前からそういう状態です。定員割れの大学、いわゆるFラン大学は、全体の4割を超える状況です。大学もまた、勉強しなくても、誰でも行ける場所になっています。
多くの高校・大学が定員割れしていることを、中学生・高校生は知っています。そうなると、『あんた、このままでは高校・大学に行けないよ!』という常套句に替わる、新たな「勉強しなければならない理由」を、親・子双方が、見出していく必要があります。
我々親世代は、高校・大学に行くこと自体が目標でした。そのため、「なぜ勉強しなければならないのか?」を、深く考えることなしに中学・高校時代を過ごすことができました。多くの親御さんが、パッと答えを言えないと思いますが、我々の時代はそれでも良かったのだから、仕方ありません。でも、今は明確な理由が必要な時代です。だからそれを見出す努力を、中高生だけでなく、その親もしていく必要があります。
実際、なかなか難しい問いです。大人でも難しいのだから、子供にはもちろんもっと難しいです。それ故に、親が子供に対して、〇〇だから勉強はすべきだ、と明確に提示することが、とても大事になります(何となくのあいまいな理由では、説得力に欠けます)。また、それは学校の教員・学習塾の講師にも言えることです。子どもに関わる多くの大人が、その答えを見出し、子ども達に伝えていかないと、この国は益々勉強しない子が増えてしまいます。
現在『Jアカブログ』では、小中高生の親御さんを主な対象として文章を記しています。それが一段落したら、今度は小中高生向けの文章を書きます。その中で『なぜ勉強しなければならないのか?』に対する私の考えも記していきますので、良かったら参考にしてみてください。
また、別の意味でも、保護者の皆様にこの問いをお考えいただくと良いのではないかと思っております。
『中年の危機』という言葉をご存じでしょうか?主に40・50代に起こる現象で、ユングという人がこの分野で有名ですが、40・50代というとちょうど中高生の親御さんの世代になります。つまり、本文を読んでくださっている多くの方が、現在『中年の危機』の最中だったり、近い将来『中年の危機』に陥ることになります。
簡単に説明すると、中年の危機とは、アイデンティティの再構築だとされていて、その中には、いろいろな事柄に対しての価値観を見つめ直す工程が含まれています。『なぜ勉強しなければならないのか?』『なぜ努力しなければならないのか?』『やりたくないけれど、やらねばならないことをする意義は?』は、その価値観の一部になります。これを機に、保護者の皆様にこれらの答えを考えていただくことは、お子様の成績向上だけでなく、保護者の方のアイデンティティ再構築においても、大いに意味のあるものだと思っております。そのため、いろいろな本を読んでいただいたり、ネットで情報を探していただいたり、一人静かな環境でじっくり考えていただくことを、本当にお勧めします。
私自身は中年の危機を終わらせるのに7年かかりました。多くの心理学者が言う通り、人生で一番しんどい7年間でした。これらの問いに対する答えを本気で見出す努力は、その期間を少し短くしたり、苦しみを少し和らげることにつながります。私は中年の危機の最中に、これらの答えを探しましたが、今から思うと、もっと早く考えておけば良かったです。
今は本業に直結する『成績向上』について記していますが、それがある程度終わったら、『中年の危機』についても記していく予定です!
追伸
中高生の保護者の方の中には、今現在、中年の危機で苦しまれている方も、多くいらっしゃると思います。その方たちのために、私が中年の危機の際に、最も支えになった本をご紹介します。
中年の危機に入った時に、私が最初に行った行動が、丸一日かけて、名古屋の大きな本屋に全て行き、中年の危機に関わる本を買いあさることでした。10冊以上の本に目を通しましたが、最後まで読み切り、その後繰り返し読んだ本はこれしかありません。本書がなければ、もっと時間がかかったでしょうし、もっと苦しんでいたに違いありません。私にとって、座右の書の1つです。
中年の危機の研究ではユング(心理学者)がおそらく1番有名ですが、本書の筆者はユング心理学の学者さんですので、内容的にも安心できる一冊です。中年の危機に入られた方は、一読されることを本当にお勧めします。
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